いわきFC、2連勝 降格圏脱出19位に浮上 水戸に逆転勝ち

 
【いわき―水戸】後半43分、逆転ゴールを決めるいわきのMF岩渕=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第25節ー。いわきFCは9日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で水戸ホーリーホックと対戦し、4―3で逆転勝利を飾った。通算成績は7勝6分け12敗。今季2度目の連勝で順位は22チーム中21位から19位へ浮上、J3自動降格圏を脱出した。

 いわきは前半5分に先制されたものの、同29分にFW有田稜のクロスがオウンゴールを誘い同点に追いついた。ただ前半ロスタイムに勝ち越しを許すと、後半15分にも自陣ゴール正面で与えたFKを直接決められ、2点差とされた。しかし同20分にMF岩渕弘人、同23分にはMF谷村海那がそれぞれゴールを決めて同点とすると、同43分には再び岩渕がゴールを奪い、試合を決めた。次戦は15日。アウェーの維新みらいふスタジアム(山口市)で16位レノファ山口FCと対戦する。午後7時開始予定。

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【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきが両チーム計7点の激しい打ち合いを制した。開始早々に先制された前半は相手の圧力に屈して何度も攻め込まれ、一度は同点に追い付いたが、終了間際に失点して1―2で折り返した。後半はミス続きからFKを直接決められ3失点目。そこから、華麗な崩しによる連続得点で再び追い付くと、後半43分、MF宮本、岩渕の2人が相手のミスにつけ込みカウンター攻撃から決勝点を決めた。(小磯佑輔)

 止まらない岩渕、怒濤の2発

 いわきを「勝たせる男」が、またも大きな仕事をやってのけた。決勝点を決めた前節の栃木SC戦に続き、MF岩渕弘人が追い上げと勝ち越しの2得点を奪って勝利に貢献。怒濤(どとう)の4試合連続ゴールで、チームを上昇気流に乗せた。

 まずは後半20分、華麗な抜け出しで味方のスルーパスを受けると、相手GKの届かないコースへ冷静に右足で流し込んで2―3と1点差に迫る。"役者"の得点で勢いに乗ったチームは、わずか5分後に同点に追い付いた。

 その後は一進一退の展開が続き迎えた後半43分。自陣でのCKで相手のミスキックを逃さなかった。ボールを奪った岩渕は前方のMF宮本英治にスルーパスを出し、自身も並走。2人で相手GKとの2対1に持ち込み、最後は宮本のお膳立てをきっちり押し込んで決勝点を奪った。

 普段からの練習の成果が、結果につながった。岩渕は宮本にボールを預けると、走ることに集中。秋本真吾スプリントコーチと改善を重ねてきた走りのフォームを意識し、追う相手選手に走り勝った。

 前節に続き、またもチームを勝利に導いた岩渕。この日も試合前から「自分がヒーローになる」という感覚があったという。「出来過ぎ。怖いです」。試合後は前節と同じ言葉で勝利をかみしめた。

 チームはJ3自動降格圏を脱した勢いを継続し、次戦で目指すのは今季初の3連勝だ。岩渕は「勝てれば相当に大きい。山口を倒すことだけを考えたい」と次戦を見据えた。(小磯佑輔)