いとうせいこうさん、松田家住宅を訪れ交流 国見の有形文化財

 
松田さんの説明を聞くいとうさん(右)

 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故で被災した本県の人々の声を集めた「福島モノローグ」などの著作がある作家、クリエーターのいとうせいこうさん(62)が9日、国見町の国登録有形文化財「松田家住宅」などを訪れ、家主の松田昭子さん(68)らと交流した。

 松田さんが「福島モノローグ」でインタビューを受け、松田家住宅について触れていることが縁で、いとうさんが初めて訪問した。

 松田家住宅は奥州街道の旧貝田宿に位置する大型の養蚕民家で、「主屋」「土蔵」「表門及び板塀」の3件が国の有形文化財に登録されている。主屋は木造2階建てで、同町光明寺地区に江戸末期から明治前期ごろに建てられたとされる。旧貝田宿にあった住宅が火災で焼失したため、1910年に現在の場所に移築した。

 いとうさんは松田さんの案内を受け、住宅内を視察した。いとうさんは「松田さんらは古いものを使って新しいことをしていこうとしている。今後いろいろな人がどうもり立てていくのか楽しみ」と話した。

 10日・国見でシンポ

 いとうさんは10日午前10時から、同町のみらいホール国見で開かれるシンポジウム「いとうせいこうと考えるまちづくり~歴史・文化の視点から」に参加する。入場無料。事前申し込み不要で、定員約100人。