震災13年、問い直す6作 フォーラム福島で「311映画特集」

 
「サイレント・フォールアウト 乳歯が語る大陸汚染」より(c)SILENT FALL OUT(写真上)「津島 福島は語る・第二章」より(c)MASAYA NODA(写真中央)「ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ」より (c)Komori Haruka + Radio Shimo-Kajiro(写真下)

 東日本大震災から間もなく13年。福島市の映画館フォーラム福島では「あの日から13年、いま問い直したい311映画特集」と題し、震災に関連した、テーマの異なる6作品を順次上映する。

 「『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち」(寺田和弘監督) 14日まで上映。宮城県石巻市の大川小では多くの児童と教職員が津波の犠牲となり、遺族の一部は県と市に損害賠償を求めて訴訟に至った。震災直後からの10年にわたる遺族の闘いの記録を伝える。

 「サイレント・フォールアウト 乳歯が語る大陸汚染」(伊東英朗監督) 15~21日上映。1950~60年代に米ネバダ州で大気圏内核実験が繰り返された。当時、放射能汚染を危惧した母親たちが中心となって始めた「乳歯プロジェクト」とはどのような活動だったのか。インタビューを通して米国の放射能汚染の現実に迫る。

 「津島 福島は語る・第二章」(土井敏邦監督) 22~28日上映。浪江町津島地区は帰還困難区域に指定され、多くの住民が帰れずにいる。同地で暮らしてきた18人が、開拓時代の記憶や地域コミュニティーと共にあった暮らし、受け継がれてきた伝統文化などについて証言する、3時間を超える長編作。

 「決断 運命を変えた3.11母子避難」(安孫子亘監督) 29日~4月11日上映。原発事故後、さまざまな情報が交錯する中、わが子の将来を案じ自主避難を決断した10組の家族の証言を伝える。いわき市のまちポレいわきでも、同日程で上映する。

 「ラジオ下神白(しもかじろ)―あのとき あのまちの音楽から いまここへ」(小森はるか監督) 4月12~18日上映。いわき市の復興住宅が並ぶ地域で、若者たちが有志でプロジェクトを始めた。バンド演奏や歌声喫茶などの支援活動や交流を通じて、被災者が生きる活力を取り戻していく姿を描く。

 「生きる、生きる、生きろ。」(島田陽磨監督) 5月10~16日上映。震災以降、県内では復興の一方で自殺率やDV件数が増加している。南相馬市で心療内科を開業した医師や、震災の悲しみを背負う人たちに寄り添う看護師の地道な活動を追う。

 各映画ごとにトークイベントなどを予定している。上映時間やイベントの詳細はフォーラム福島の公式サイトへ。