古里・相馬で自作映画上映会 6月2日、映像作家の岩崎孝正さん

 
立谷市長に作品を紹介する岩崎さん(左)と中村さん

 福島県相馬市出身の映像作家、岩崎孝正さん(38)の初の長編劇作品で、東日本大震災の被災地を舞台にした映画「海鳴りがきこえる」が6月2日午後2時から、県内で初めて相馬市民会館で上映される。岩崎さんと主演を務めた俳優中村守里(しゅり)さん(20)は4月30日、市役所を訪れ、上映会への来場を呼びかけた。入場無料。

 映画は、震災で傷ついた女性の葛藤と再生への希望を描く。県内では浪江町などでロケが行われた。

 主人公は、東京近郊に住む元写真家の理子奈(りこな)。東北出身で、震災で家族が離散した理子奈は空虚感を埋めるように理想とする家族像を追い求めていたが、夫の浮気に気付くことになり、日常生活の歯車が狂い出す。自分を見失った理子奈が答えを探すように向かったのは、古里の被災地、東北だった。

 上映会は、岩崎さんの母校、相馬高のOB会「馬城会」の主催。同窓生である岩崎さんの作品を多くの人に見てもらいたいと企画された。今月下旬には相馬高と相馬総合高の生徒も作品を鑑賞する。

 市役所を訪れた岩崎さんらは、立谷秀清市長に作品を紹介した。岩崎さんは「古里の映像を撮り続けてきたが、最新の作品を地元の皆さんにようやくお見せすることができる」と感謝。中村さんは「作品はもう一度、震災を考えるきっかけになった。それだけに、しっかりと思いを持って撮影に臨んだ」と話した。市役所には馬城会相馬支部の佐々木政喜支部長、斎川一朗事務局、上映会を後援する相馬商工会議所の草野清貴会頭が同行した。

 問い合わせは同支部事務局(電話090・4635・8019)へ。