【古関裕而生誕110年】古関裕而記念館 自筆譜や愛用品など600点展示
「何十年と歌い続けても決して飽きない」
毎週日曜日に古関裕而記念館(福島市)で開かれている自由参加の音楽会「うたごえサロン」。ここに十数年にわたり、ほぼ毎週通い続ける末永秀男さん(79)=同市=は、古関メロディーの魅力をこう語った。
記念館は1988(昭和63)年、福島市制80周年を記念してオープン。外観はラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の主題歌で、古関の代表作「とんがり帽子」をイメージして設計された。
ガラス張りの1階はロビーとサロン、2階の資料展示室には自筆譜や愛用品などが並び、古関の功績を知ることができる。展示室の一角には、作曲する際に使っていた書斎をそのまま再現した和室の部屋もある。
オープン時には古関は入院生活を送っており、翌89年8月18日にこの世を去った。古関自身は足を運ぶことはできなかったが、古関メロディーが歌い継がれる貴重な場所となっている。
うたごえサロンは、開館から間もなくして始まった。1階フロアに展示している古関が愛用していた電子オルガンを使った音楽会で、オルガン奏者の伴奏に合わせて古関作曲の歌を合唱する。県内外から毎回50人前後が集まり、曲目はリクエストで決まる。1曲目は「新しき朝」か「長崎の鐘」になるのが定番だ。
1時間半を休憩なしで歌い続けるが、「有名な曲ばかりだから歌いやすく、大きな声を出せるので元気が湧いてくる」と末永さん。飛び入り参加も可能で「誰でも気軽に集まれるところがいい」。
音楽は未経験の末永さんだったが、最近では指揮を任せられることもある。最も気に入っている曲は「高原列車は行く」。「リズミカルで明るい気持ちになれるから一番好きです。今の季節だと『栄冠は君に輝く』を歌うのも気分がいい」と晴れやかに笑った。
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古関裕而記念館 展示コーナーには約600点の写真パネル、直筆色紙、作曲作品の楽譜などがあり、試聴コーナーでは代表的な100曲が聴ける。入館無料。時間は午前9時~午後4時30分(入館は同4時)。休館日は年末年始。
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