ゆかりの地に「川俣銀行の風呂敷」 東邦銀支店にタペストリー

 
東邦銀行川俣支店入り口のアーチに掲げられたタペストリーを披露する樋口支店長(右)

 川俣町では19日、古関裕而が勤務していた川俣銀行(現東邦銀行川俣支店)の風呂敷デザインをあしらったタペストリーがお目見えした。レトロな雰囲気のタペストリーは同支店前に設置され、古関ゆかりの地の新たなランドマークとして注目を集めそうだ。

 風呂敷は、かつて得意先への記念品として配布されていたもので、同町の田中道子さん方のたんすに保管されていた。風呂敷には「株式會社川俣銀行 電話五十四番」と書かれている。田中さんは、NHK朝ドラ「エール」の放送開始後「古関さん関連の事業に活用してもらえれば」と、町に風呂敷を貸し出した。

 町は、古関ゆかりの地を巡るスタンプラリーを実施しているが、川俣銀行のあった場所を示す看板や史跡はなかった。

 このため、風呂敷を参考にしたタペストリーを作り、設置することを決めた。大きさは縦2.55メートル、横2.25メートルで、メッシュ素材を使っている。

 樋口一男支店長は「タペストリーを通じて川俣銀行の歴史を深く知ってもらい、古関ゆかりの町の魅力を発信する新たなきっかけになってほしい」と話した。

 川俣町は、古関の母ヒサさんの出身地。古関は福島商業学校(現福島商高)卒業後、当時あった伯父経営の川俣銀行の行員として2年勤務した。