「エール」撮影に貢献したい 感染防止対策アドバイザー・水さん

 
「撮影現場からエールを送りたい」と話す水さん

 福島市出身の作曲家古関裕而がモデルのNHK連続テレビ小説「エール」の本放送が14日、再開する。現場での新型コロナウイルスの感染防止対策には、裏方として本県出身者が汗を流している。

 朝ドラ「エール」の収録は新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月末に中断し、6月中旬に再開した。現場での感染防止対策のアドバイザーを務めているのは、郡山市出身で実務薬学総合研究所(東京)社長の水八寿裕(みずやすひろ)さん(51)=さいたま市=だ。水さんは「古里が舞台の朝ドラの撮影が順調に進むよう、全力を尽くしたい」と意気込みを語った。

 水さんは安積高を卒業した後、東京理科大薬学部で学び、同大大学院の修士課程を修了した。薬剤師の資格を持ち、薬品会社や大学病院、保険薬局の勤務を経て現職。「エール」の医事監修を務めている医療コーディネーター堀エリカさんから協力の依頼を受け「福島出身者として『エール』に貢献したい」と、6月から感染予防対策を手掛けてきた。

 現場では、全員が本番以外はマスクやフェースシールドを着けたり、演出や撮影手法を工夫したりして、密を避けながら撮影している。中断前と同じようなペースでは収録できないが「ドラマの中身までは大きく変わっていない。視聴者に楽しんでもらう根底もそのままだ」(土屋勝裕制作統括)という。

 現場の撮影に応じて対策を講じ、制作陣の疑問に答えている水さんは「『エール』の現場は厳しい基準で対策している。安全・安心な撮影ができるよう徹するつもり」とした。故郷への恩返しを念頭に「全国的に感染拡大が続く状況だが、クランクアップまで感染者を出さないようやり遂げる。撮影現場から県民にエールを送りたい」と語った。