生活習慣病予防で「目」を守る 福島医大×福島民友・健康講座

 
目の加齢対策について語る石龍教授

 福島医大と福島民友新聞社は15日、福島市で目の加齢対策をテーマとした健康講座を開いた。福島医大医学部眼科学講座の石龍鉄樹(せきりゅうてつじゅ)主任教授が「知っておきたい目の加齢対策」と題して講演。40代から始まる加齢に伴う見えにくさは、緑内障など失明につながる重大な病気が原因の場合があり、そうした病気にならないために「高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防や治療が有効」と呼び掛けた。

 石龍教授は、中高年の視力障害や失明の原因として日本で最も多い病気は緑内障であると紹介。その上で「全身の血流悪化を引き起こし網膜の血流も低下する低血圧や、動脈硬化を引き起こしてやはり血流が低下する高血圧は緑内障になりやすく、ちょうど良い血圧が望ましい」と語った。毛細血管を傷つけて血流低下を招く糖尿病も緑内障につながることを指摘した。

 白内障予防にも糖尿病や高脂血症、高尿酸血症の予防が求められると述べ、こうした病気と同様に中高年の視力障害の原因となるケースが多い「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の予防には、ビタミンCやビタミンEなどの「抗酸化ビタミン」を含む食品を取ることが有効と説明した。

 また「目の加齢というと、通常の加齢で起きてくる見えにくさと、加齢に伴う病気とがあり、病気にならない対策が必要。生活習慣病対策をしていれば、目の加齢対策をしているのと同じ効果が得られる」と語った。

 健康講座は県民の健康増進を目的とした福島医大と福島民友新聞社の連携協定に基づく事業。約100人が受講した。

 健康講座では福島市保健所の保健師岡本なつみさんも登壇し、健康増進のための栄養や運動面のポイントを語った。

 岡本さんは総務省の家計調査を挙げ、福島市民は菓子の購入額が全国の中でも高いと指摘。「和菓子なら人さし指と親指の輪の中に入るくらい、洋菓子なら片手の手のひらにのるくらい、スナック菓子なら片手にのるくらいの量に抑えるようにすると良い。甘い飲み物にも注意してほしい」と健康になるためのおやつの上手な取り方を紹介した。

 運動面では「車を駐車する際に目的地から少し遠い所に止めてみたり、朝、ごみを出す際に近所を一周するなど、生活の中で今より少しだけ多く体を動かす時間をつくってほしい」とアドバイスした。