「後発薬」使用過去最高...福島県79.4% 全国14位、医療費軽減

 

 全国健康保険協会(協会けんぽ)福島支部の加入者約67万人のうち、価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)を使用している割合(昨年10月時点、数量ベース)は全国14位の79.4%で、過去最高を更新した。国が9月までの達成を目標とする80%以上に近付く一方、東北6県では最も低く、同支部は医療費軽減につながる後発薬への切り替えを推奨している。

 18歳以下の医療費無料化などを背景に、積極的に後発薬を選ばない傾向もあるとみている。

 年代別(昨年4月分)では7~14歳が71.5%と最も低く、15~19歳も73.3%で、湿布などの外皮用薬が多いという。

 一方、最も高いのも医療費無料の0~6歳の82.7%だが、同支部は後発薬の使用割合が高いビタミン剤の処方の多さが要因としている。

 地域別(同)では、いわき74.4%、南会津74.6%、相双75.2%、県南77.6%、県中79.4%、県北80.3%、会津80.5%。同支部は相双といわきの低さについて、震災に伴う医療費の一部負担金の免除措置が要因と推定する。

 このため同支部は、負担金免除の対象者に、後発薬の利用を促す啓発文書を新たに配布する。少子高齢化に伴う医療費の増額が想定される中、後発薬を選ぶことが医療費軽減につながることを周知する狙いだ。

軽減通知の対象を拡大 また、後発薬への切り替えによる医薬品の軽減額が分かる通知文の配布対象者を、18歳以上から15歳以上に拡大。医療機関や調剤薬局を直接訪問して協力を求める。担当者は「医療機関や調剤薬局と合わせ、加入者の行動変容を促して確実な切り替えにつなげる」としている。

 医薬品の軽減額が分かる通知文は2009(平成21)~18年度の10年間で全国3300万人に配布された。このうち、後発薬に切り替えたのは27.4%で、軽減額の推計は1639億円に上るとしている。
 全国で使用割合が最も高かったのは沖縄県の87.4%で、東北では岩手県の83.6%が最高だった。