浜通り10市町村対象「健康分析」 避難で指標悪化、対応策検討

 

 県は新年度、原発事故で避難指示が出るなどした浜通りの10市町村を対象に、「本県版健康データベース」を活用した健康課題の分析に着手する。長期避難の影響で健康指標の悪化が指摘される中、まず二つの自治体を選び、分析を踏まえた具体的な施策も検討する。

 データベースには、市町村国保や協会けんぽなどの加入者のレセプト(診療報酬明細書)などが盛り込まれており、県と福島医大健康増進センターが作成している。六つの2次医療圏別にデータを比較した結果、生活習慣病に伴う医療機関の受診率が高かったことから、浜通りに焦点を当てた。

 対象は双葉郡8町村に南相馬市と飯舘村を加えた10市町村。分析では、市町村ごとの健康状態を科学的なデータで示し、そのデータを活用して県と自治体が連携した施策を考える。

 また県は、民間企業が持つ先進的な健康増進プログラムを10市町村で展開する事業も実施。避難者が避難先でもプログラムに参加できるような取り組みを検討している。