「酸性飲料」 飲んだらうがいを

 

 普段飲用している飲み物について、少し考えてみましょう。酸性飲料とはpH7未満の飲料のことを言い、具体的には炭酸飲料、果汁飲料、乳酸飲料、イオン飲料、スポーツ飲料、さらに健康飲料として見かける「飲むお酢」なども酸性飲料です。これらの、飲料のpHはほぼ5以下と言われています。そして、この酸により歯の表面が溶け出す(脱灰)ため、いわゆるむし歯と同じ状況が起こります。さらに、磨き残しの歯垢(しこう)の中では酸がつくられるため、歯の表面の脱灰が助長されます。特に、上の前歯にこの状況が見られるようになります。

 最近、天然水で果汁入りの飲料もありますが、天然水といえども、果汁が添加されていれば酸性飲料です。しかし、例えば子どもたちが下痢や発熱などの全身症状から脱水を起こした場合には、スポーツ飲料やイオン飲料は回復のために必要です。

 大切なのは、酸性飲料だからダメではなく、その飲み方(与え方)です。全身症状回復のため以外の平常時には〈1〉飲んだ後、水でうがいさせる〈2〉お水の代わりではないので、継続的に与えない(ダラダラ飲みはしない)〈3〉就寝前の飲用は控える〈4〉普段からしっかり歯磨きをする―以上のことを考慮した上で、上手に飲用するようにしましょう。普段の食事の時は早めに歯みがきをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことが重要です。

 (県歯科医師会)