「義歯の不具合」 腫れや潰瘍、かみにくさも

 

 取り外し式の義歯を新たに製作し、装着して使用した場合、不具合が生じるときがあります。

 主に、痛みや頬をかむ、食べ物がかめないなどです。快適に使用していた義歯についても同様なことが言えます。

 義歯は、金属部分とプラスチック部分(義歯床用レジンや人工歯は樹脂)から構成されています。

 そのため残存する歯に掛かる金属に亀裂が入って破折したり、樹脂の部分に亀裂が入って金属が脱離したり、樹脂が割れたりすることがあります。これは、部分義歯、全部義歯のいずれの場合も、かむ力が金属や樹脂に集中するために生じることです。

 そのまま使用していると、破折した部分が当たったり、義歯自体の安定がなくなって、かんだ力により義歯が動きだして口内の粘膜や歯ぐきが赤く腫れたり、潰瘍が生じたりして痛みが出ます。

 また、長く使用していた義歯の場合、歯がすり減ることで上と下の歯との間にすき間ができ、かみにくくなったりします。

 前歯で食べ物をかみ、奥歯で粉砕して食塊としてのみ込むことで、食べる楽しみや活力が生まれ、全身の健康を維持、増進させることができます。さらに口で食べることが認知症を防止、軽減することも分かっています。より快適に過ごせるよう、不具合があればお近くの歯科医院にご相談ください。

 (県歯科医師会)