「歯科衛生士」 予防に重点治療は医師

 

 日本の医療は大きく歯科と医科に分かれています。医科の中に内科や外科があるように、歯科の中にも多くの診療科が存在します。関連職種も多岐にわたり、医師、看護師、検査技師、放射線技師など医科の医療を支えるためには多くの職種が連携しています。歯科も同様で多くの職種との連携で成り立っています。

 医科における医師に相応するのは歯科医師ですが、看護師に相応する職種が歯科衛生士です。歯科でも看護師や放射線技師などの職種との連携はありますが、歯科における主たる連携職種は歯科衛生士と歯科技工士です。

 特に歯科衛生士は日常の臨床で患者さんと接触する頻度の高い職種で、単に歯科医師の助手ではありません。歯科衛生士のサポートがなければ歯科治療は行えませんが、それと同じように大事な仕事が口腔(こうくう)衛生管理です。言い換えれば、歯科医師が疾患を治す治療行為を主にしているのに対し、歯科衛生士は予防を主たる仕事としています。

 現在の歯科事情は、う蝕(むし歯)は予防の推進により減少し、歯周病を含む歯科疾患の予防のニーズが増大しています。現代医療は治療から予防へと変化しており、歯科において、その重要な職務を担うのが歯科衛生士と言えます。歯科医師には聞きづらい疑問な点があれば、まずは歯科衛生士に相談してみるのも良いでしょう。

 (県歯科医師会)