「咀嚼と健康」 自分の歯、80歳で20本余

 

 皆さんは、自分の歯が何本あるか知っていますか? 先天性欠如などの事情がなければ、通常親知らずを除いて、上下左右合計28本を持っています。

 では、何本あれば比較的硬い食品を含め、支障なく咀嚼(そしゃく)できると思いますか? ヒントは、1989(平成元)年に厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱した「8020運動」という言葉にあります。

 「8020運動」は、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。ですから答えは20本ということになります。

 歯を失うと、主に野菜の摂取不足になりやすいといわれています。野菜不足だと、日本人の死亡原因の上位である心疾患、脳血管疾患を発症しやすいとの報告もあります。

 歯の喪失が、そのまま死亡につながるわけではありませんが、適切に咀嚼できないことは、健康を損なうことにつながると考えられます。ですから、歯を失わないために定期的な検診を受けることをお勧めします。

 また、すでに歯を失ってしまった方でも、入れ歯などにより咀嚼力が向上することは、多くの調査で報告されています。

 自分のお口の中の状態を、しっかり把握し、必要な治療は受けた上で、よく咀嚼し健康を維持していきましょう。

 (県歯科医師会)