「脳萎縮させるアルツハイマー型」 認知症、歯周病菌が誘発

 

 アルツハイマー型認知症とは、脳の中に貯蓄された異常なタンパク質により神経細胞が破壊され、脳の萎縮が起こる疾病です。脳はいろいろな物質から攻撃され、それを守っているのが「アミロイドβ」と呼ばれるタンパク質です。アミロイドβは炎症や栄養不足、毒素から脳を守るために常に戦っています。

 しかし、脳への波状攻撃が長く続くと、アミロイドβは脳を守るのではなく、逆に脳を攻撃し始めます。アミロイドβが脳神経を攻撃破壊し、認知症が徐々に進行していきます。

 歯周病菌の中でも、近年アルツハイマー型の認知症に関係があるといわれているものがあります。それがポルフィロモナス・ジンジバリス菌(通称Pg菌)です。Pg菌が血管の中に入り込み、血流に乗って体全体に広がりますが、免疫によって細菌は死滅します。

 しかし、このPg菌をはじめとする歯周病菌の死骸は、内毒素(エンドトキシン)を体内に残していきます。この毒素が脳にたまることによって、アミロイドβが蓄積されるのです。ですから、歯周病と認知症には密接な関係があることがわかっています。

 何よりも食後のブラッシングで歯周病菌に栄養を与えないことが肝要です。かかりつけの歯科医院で歯周病検査、年に一度の脳ドック検診をお勧めします。

 (県歯科医師会)