「噛む力」 食いしばり、歯ぎしり注意

 

 食生活の変化や食品の加工技術の発展により、「噛(か)む力」が弱くなったり、咀嚼(そしゃく)回数が減少したことによる健康面での悪影響が出ています。

 地球上で噛む力が強い生き物といえばワニで、カバやジャガーが続きます。人間は強く噛んだときが70キロで、通常の食事の際には男性が60キロ、女性が40キロといわれています。これらのことから、噛む力はその人のおおよそ体重ぐらいということが分かります。47都道府県で「噛む力」を見ますと、第1位が秋田県となっています。

 噛む力が強いことが良いことかといえば、それは否です。強く噛むことと、よく噛んで食べることは違います。強く噛みしめると、歯周組織や硬組織の破壊、筋肉の緊張による肩凝り、顎の痛みなどが引き起こされる場合があります。

 強く噛んで食べる人には噛む回数が少ない人もあり、その場合消化を助ける唾液の分泌が少なくなり、胃腸に負担がかかります。また、強く噛むよりもっと注意しなければならないのは、歯の食いしばりや就寝時の歯ぎしりです。力仕事やスポーツなどをするときには歯を食いしばります。

 食いしばりや歯ぎしりに心当たりがある方はかかりつけ医に相談し、ナイトガードやマウスピースも検討してみてください。なお、本県の噛む力は全国第2位でした。

 (県歯科医師会)