いわきFC、磐田と引き分け 後半45分、遠藤が同点弾

 
【磐田―いわき】後半45分、コーナーキックから頭で合わせ、同点ゴールを決めるいわきのDF遠藤=ヤマハスタジアム

 サッカーJ2第17節-。いわきFCは21日、アウェーのヤマハスタジアム(静岡県磐田市)でジュビロ磐田と対戦し、1―1で引き分けた。いわきの通算成績は4勝3分け10敗。順位は22チーム中20位に浮上し、J3自動降格圏を脱した。

 互いに無得点で前半を終えると、磐田が後半36分、いわきのクリアボールからシュートを決めて先制した。いわきは同45分、MF山下優人のCKにDF遠藤凌が頭で合わせて得点を奪い、同点に追い付いた。

 いわきの次戦は28日。アウェーの味の素スタジアム(東京都調布市)で2位東京ヴェルディと対戦する。午後2時開始予定。

磐田戦スコア

 【評】いわきは土壇場で追い付き、勝ち点をもぎとった。試合は磐田がボールを持ち、いわきがプレスからカウンターを狙う展開。前半はにらみ合う時間が長く、互いに無得点で終えた。後半はいわきが主導権を握り、何度もゴールに迫ったが得点を奪えず、逆に磐田に先制ゴールを許してしまう。ただ終了間際にいわきはCKからDF遠藤が同点弾を決め、引き分けに持ち込んだ。(小磯佑輔)

 CKドンピシャ2戦連発

 再三にわたってゴールの予感を感じさせていたいわきに後半36分、重い一撃が突き刺さる。自陣ペナルティーエリア外から放たれた磐田のミドルシュートが、GKの手の届かないゴール隅に吸い込まれた。「見事」としか言えないようなスーパーゴールに、うなだれるいわきイレブン。ただ気持ちは切れていなかった。

 後半45分、MF山下優人の右サイドからのCKにDF遠藤凌がニアサイドで合わせると、ボールは一番遠いサイドネットに吸い込まれた。値千金の同点弾は、遠藤にとって「人生初」の2試合連続得点。チームに勝ち点をもたらした遠藤は「良いクロスに触るだけだった。(同点に)追いつけたことはチームの成長」と喜んだ。

 実力ある磐田を大いに苦しめた。前半は粘り強い守備でじっと耐えると、後半は運動量で上回ったことでボールを奪い、カウンターで前進する回数が増えた。

 守備で効いていたのは、守備的MFを本職としながらサイドバックとして2試合連続出場となった宮本英治だ。村主(すぐり)博正監督が「チームでナンバーワンくらい」と語る対人守備の強さを発揮し、相手のサイド攻撃を抑え込む。宮本は「試合の中で修正しながら、相手のストロングポイントを消せた」と話し、村主監督も「チームのオプションが増えた」と成果を口にした。

 引き分けたことで、順位はJ3自動降格圏を脱出した。「先に点を取ることが大切になる」と今後を見据える遠藤。巻き返しに向け、攻撃の質をさらに高めていく。(小磯佑輔)

 有田「決めていれば」

 「自分が決めていれば勝てた試合。自分が決める選手にならないとJ2では勝ち上がれない」。いわきのFW有田稜は自身を責めた。

 前半2分に最初の好機で放ったシュートは、右に外れた。その後も何度もゴールに迫ったが、得点は奪えなかった。「手応えもあったし、調子も良かった。最初に外したシュートが全て。結果を受け止める」と悔しがった。

 勝利した前節の大宮戦後からチームが活気づいていると感じている有田。「今後につながる貴重な勝ち点1。守備陣に感謝し、恩返しができるよう次は絶対に決める」とゴールを誓った。