4社の落札率98%超 石川町官製談合事件、入札情報共有か

 

 福島県石川町の公共工事入札を巡る官製談合事件で、公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された無職関根徳夫容疑者(69)=同町字境ノ内=ら2人が勤務していた土木会社「志賀建設」など、町内の規模の大きい4社が中心となった34件の入札の平均落札率が、98%超の極めて高い落札率となっていたことが6日、町の入札結果で分かった。

 県警は、業者側が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されている石川町長の塩田金次郎容疑者(76)=同町形見字道橋=から不正に得た情報を共有していた可能性を視野に調べを進めている。

 4社は一定規模の工事が行える「Aランク」の企業。入札結果によると、この4社が中心となって参加した2019年~23年7月の34件の入札の平均落札率は98.70%だった。

 入札結果では、志賀建設が10件、ほかの2社が11件ずつと、ほぼ同数の入札を落札。ほとんどの落札率が98%を超え、一般に談合が強く疑われるとされている落札率95%以上を大きく上回った。

 捜査関係者によると、関根、元役員のコンサルタント業添田保雄容疑者(63)=平田村中倉字見上=は塩田容疑者から不正に入手した予定価格の情報を社外の複数の人物にも伝えたとみられている。

 町長側への対価も焦点

 現職町長逮捕という町政を揺るがす事件発覚から7日で1週間。捜査関係者などへの取材で事件の構図は徐々に浮かび上がるが、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された石川町長の塩田容疑者の認否は明らかになっていない。入札の予定価格を業者2人に漏らしたとされる塩田容疑者が、業者側から何らかの見返りを受けていなかったかなどが焦点となる。

 捜査関係者によると、塩田容疑者から受け取った予定価格の情報を業者側の2人が社外の複数人に漏らしていたとみられている。

 現時点では、塩田容疑者が予定価格を漏らした時期や方法など不明な点も多い。逮捕容疑の入札は22年9月の入札とされるが、ほぼ同時期の同年8月、塩田容疑者は町長選で再選。「事件と町長選に何らかの関係があるのではないか」と疑念を持つ町民もいる中、県警の事件の全容解明に向けた捜査が続いている。