片平里菜さん、福島へ...ただいま 全国ツアー、13日公演「温かく」

 
「福島公演では、いろいろな思いを歌に乗せて届けたい」と話す片平里菜さん

 福島市出身のシンガー・ソングライター片平里菜さんが、デビュー10周年を記念したアルバムを発売し、全国47都道府県を巡るツアーを展開中だ。福島公演を間近に控えた片平さんに、現在の心境を聞いた。

 10周年記念アルバム

 昨年10月、アルバム「Redemption」(リデンプション)を発売した。「レコーディングには(アコースティックバンドの)OAU、おおはた雄一さんに参加していただき、アコースティックサウンドでありながらも奥行きのあるアルバムになりました」と手応えを語る。

 タイトルの「Redemption」は「救い」や「償い」という意味だという。「本当の気持ちを歌にして伝えることで、私自身が救われてきました。私にとって歌うこと、表現することの本質に改めて立ち返ることのできたアルバムです」

 発売に合わせて開始した、およそ半年にわたる全国ツアーはいよいよ終盤を迎え、今月13日には福島公演を控える。「(福島公演は)『おかえり』と『ただいま』を言い合えるような温かい1日にしたいです。そして、目の前の一人一人にしっかり伝わるライブにしたい。全国ツアーでいろんな景色を見て、いろんな人に出会いました。いろんな思いを歌に乗せて、地元福島に届けます。お待ちしています!」と参加を呼びかけた。

 日比谷野音「夢かなう日」

 ツアーファイナルは4月20日、東京の日比谷野外音楽堂で行われる。今の思いを尋ねると、「ひとつの夢や目標がかなう日です。考えると今からドキドキしています」と興奮した様子。というのも、片平さんにとって日比谷野音は特別な場所だからだ。

 「19歳の時に『閃光ライオット2011』という10代限定フェスで初めて日比谷野音のステージに立ちました。大勢の人の前で歌った感動や、ステージから見た景色を今でも覚えています。それからずっと野音ワンマンライブを目標に音楽活動を続けてきました。とても思い入れのある場所です。この日はゲストに、アルバム制作に参加していただいたOAUやおおはた雄一さん、オープニングアクトに磐城じゃんがら遊劇隊も出演します。素晴らしい日になるように頑張りますので、福島の皆さん、ぜひ応援しに来てください!」

 「ロックバンドがやってきた」 復興祈るMV公開

 ライブの人気曲であり、新アルバム収録曲でもある「ロックバンドがやってきた」のミュージックビデオ(MV)が公開中だ(https://youtu.be/xt8RAjnDRCE)。東日本大震災以降、東北の景色を写し続けてきた写真家・石井麻木(まき)さんの作品で構成された映像で、音楽による復興支援の様子を伝えている。「決して無力ではない、人の優しさや行動力を未来に伝えたい。どうか能登半島地震の被災地にも届きますように」

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 片平里菜Redemptionリリースツアー2023―2024 福島公演

 13日、福島アウトライン(福島市)。ゲストに花男、OUT OF FASHIONが出演する。午後7時開演。チケットは一般前売り3500円、当日4000円。高校生以下前売り2500円、当日3000円。別途ドリンク代500円。問い合わせはユーワンミュージック(電話024・597・7202)へ。