【投資はじめました(4)】NISA口座開設 年120万円以内は非課税

 

 「まずはNISA(ニーサ)の口座を開設しましょう」。東邦銀行本店の窓口で投資信託の商品選びに悩まされていた記者。行員の板垣七瀬さん(28)から投資信託などの運用で出た利益が非課税となる制度を案内された。

 NISAは少額投資非課税制度の愛称。1人1口座に限って銀行などに特定の非課税口座を開設できる。一般NISAは20歳以上が対象で、非課税投資枠は年間120万円(最長5年間)が上限だ。

 例えば、投資信託で100万円を運用し、150万円に値上がりしてから売却すると、50万円の利益が出る。この場合、税金は約10万2千円だが、NISAの口座には課税されない。

 「源泉徴収あり」を選択すると、確定申告も原則不要になる。NISAは2014(平成26)年1月に始まった。ただ、これまで小難しそうに感じ、特に税金手続きが煩雑なイメージだったが、初心者でも手軽に利用でき、少額投資の際に恩恵が受けられる制度だと分かった。

 口座開設には個人番号(マイナンバー)が必要となる。記者はマイナンバーが記載されている住民票を提示。約3週間後、口座開設の通知が自宅に届いた。

 次のステップは、いったん棚上げにしていた投資信託の商品選びだ。

 資産運用を最初に勧めてくれた金融機関に勤務する知人から伝授されたポイントは「成長分野を見極めること」。新型コロナウイルスの影響でデジタル化が加速し、第5世代(5G)移動通信システムやデジタル技術で事業を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)などは今後もほぼ間違いなく伸びる。

 海外株式型で値動きが大きく、ある程度のリスクもあるこれらの分野を中心とした3商品に月1万円ずつ投資することを決めた。(鈴木健人)