伊藤久男の歌が聞こえる味! 本宮の生家・パン工房がクッキー

 
店の再開に合わせて開発した「チャーさんのクッキー」を手にする美和子さん

 本宮市のドイツパン工房「ハルツ」が24日、東日本台風による浸水被害を乗り越え、約半年ぶりに再開した。店は福島市の作曲家古関裕而の親友で、本宮市出身の歌手伊藤久男の生家。店で役員を務める伊藤美和子さんは「暗い話題が多い中、再開を後押ししてくれた人にパンやお菓子で"エール"を届けたい」と話す。

 店を経営するのは美和子さんの夫仁さん。仁さんの祖父が久男と兄弟だった。仁さんは古関をモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」が放送されていることから、店の再開に合わせ、久男に関連した新商品のクッキーとパウンドケーキを開発。商品名に久男の愛称「チャーさん」を入れ、箱に久男の長男牧朗が描いた久男の絵をあしらった。

 久男は、古関が作曲した「イヨマンテの夜」や「栄冠は君に輝く」などを歌い、多くのヒット曲を世に送り出した。朝ドラには、久男をモデルにした佐藤久志が登場する。美和子さんは「お菓子を通して、久男の功績を知るきっかけになればうれしい」と話す。店はライ麦を使ったドイツパンが有名。「チャーさんのクッキー」は850円で販売している。