「沼尻軽便鉄道」往時の姿が 中ノ沢旅館組合、福島市にDVD

 
木幡市長(中央)にDVDや新作の菓子を届けた磯谷組合長(右から2人目)ら

 猪苗代町の中ノ沢温泉旅館組合の磯谷洋一組合長(旅館白城屋社長)は6月30日、福島市役所に木幡浩市長を表敬訪問し、名曲「高原列車は行く」の歌詞のモデルとなった同町の「沼尻軽便鉄道」などの貴重な映像を収めたDVDを寄贈した。

 「高原列車は行く」は福島市出身の古関裕而が作曲、小野町出身の丘灯至夫が作詞した。

 沼尻軽便鉄道は大正期から昭和中期までの57年間、約16キロ区間を走り「マッチ箱」などの愛称で親しまれた。1954(昭和二十九)年発表の同曲の歌詞は、丘が少年時代に中ノ沢温泉に湯治へ出掛け、鉄道に乗車した記憶が元になった。DVDは昭和30年以降に撮影された車窓の景色や乗客の様子、丘のインタビューが収録されている。

 中ノ沢温泉は、古関がモデルの朝ドラ「エール」で町を盛り上げようと、沼尻軽便鉄道や「高原列車は行く」を題材にした取り組みを進めている。この日は、同温泉で営業している宝来堂製菓の「沼尻軽便鉄道まんじゅう」(7月15日から販売、650円)、日乃出屋の「懐かしのブランデーケーキ」(1296円)も木幡市長に手渡された。

 磯谷組合長は「猪苗代ゆかりの古関メロディーを歌い継ぎ、元気を届けたい」と話し、同市との誘客の連携を確認した。木幡市長は「映像をぜひ紹介したい」と活用する考えを示した。宝来堂製菓の日出山ほずみさん、日乃出屋の福地理恵さん、沼尻鉱山と軽便鉄道を語り継ぐ会の安部なかさんらが同席した。