昭和を代表する本宮市出身の歌手伊藤久男（１９１０～８３年）が７日、生誕から１１０年を迎えた。花と歴史の郷「蛇の鼻」など市内４カ所では、伊藤の功績を紹介するクリアファイルが無料で配られ、節目の日に花を添えた。

　伊藤は「イヨマンテの夜」などを歌い、多くのヒット曲を世に送り出した。福島市出身の作曲家古関裕而は親友で、古関が作曲した「栄冠は君に輝く」に最初に歌を吹き込んだ歌手でもある。古関と福島市出身の作詞家野村俊夫の３人で「コロムビア三羽ガラス」としても活躍した。古関をモデルにした朝ドラ「エール」にも、伊藤がモデルの佐藤久志が登場している。

　クリアファイルは伊藤の顕彰団体「伊藤久男モニュメント建立実行委員会」が製作。企画展を開いている蛇の鼻では同日、来場者がクリアファイルを手に伊藤の写真や楽譜に見入り、功績に思いをはせていた。