聖光が初戦突破、九州学院に勝利 とちぎ国体高校野球

 
【九州学院―聖光学院】6回裏聖光学院2死二塁、右前に適時打を放つ山浅=宇都宮清原球場

 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」は2日、栃木県内各地で16競技が行われた。特別競技の高校野球硬式では、聖光学院が九州学院(熊本)を6―4で破り、準決勝に進んだ。3日はレスリングや空手道、高校野球硬式など16競技が行われる。

221003k-local2.jpg 【評】聖光学院が終盤までもつれた接戦を制した。初回に先制したがその後3度追い付かれ、8回に1死満塁から伊藤の適時打で勝ち越した。先発したエース佐山は、走者を出しながらも10奪三振の粘りの投球を見せた。(副島湧人)

 山浅が勝利に貢献

 夏の甲子園後も課題と向き合ってきたチームの絶対的捕手が、勝利に大きく貢献した。聖光学院の山浅龍之介(3年)は6回に一時勝ち越しとなる適時打を放つなど3安打1打点の活躍。「一度対戦したことのある相手に、フラットな気持ちで試合に臨めた」。甲子園の準々決勝で戦った相手に再び勝利できたことを喜んだ。

 夏の甲子園が終わって新チーム中心の練習に切り替わり、3年生は空いているスペースを使いながら個人練習を軸に取り組んできた。山浅はプロ志望届を提出後、自分自身の課題に向き合って練習する時間が増えたという。

 「打撃でタイミングを取るときに、間がないのが欠点だった」。山浅が練習で見直したのは、打撃のフォーム。高いレベルの投手にも対応できるようタイミングを取るときに足を上げ、間をつくることができる形に変更した。

 練習の成果が顕著に表れたのは、3―3で迎えた6回2死二塁の好機の場面だ。追い込まれながらも低めの変化球に対応し、右前に一時勝ち越しとなる適時打を放った。「今までだったら凡打になっていた。結果が出て良かった」

 甲子園では果たせなかった日本一を、国体で成し遂げたいという強い思いがある。「このチームでこのユニホームを着てプレーする公式戦もこれが最後。全力で戦いたい」(副島湧人)

 主将・赤堀、先頭打者本塁打

 完璧な当たりだった。初回、聖光学院の主将で1番の赤堀颯(はやと)(3年)の打球は左翼スタンドへと吸い込まれ、チームを勢いづける先頭打者本塁打となった。「打った瞬間入ったと思いました」

 夏の甲子園が終わるとU―18日本代表に選出され、世界の野球を肌で感じた。金属よりも飛距離が出ない木製バットを使う世界大会で、打撃の際の意識を変えたという。「ボールにバックスピンをかけるつもりで振りにいくようにしている」。初回の打席でも、この意識で真ん中高めの直球を振り抜いた。打球は歓声と共に左翼フェンスを越えた。

 3日の準決勝で国学院栃木(栃木)と戦う。「狙うはもちろん頂点です」と決意を口にした。

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