「あの夏を取り戻そう」聖光OB、3年待った甲子園

 
発表会の会場で「感謝の思いを胸に、最大限の力を出したい」と話す吉田さん(左)と茅原さん

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年夏の全国高校野球選手権大会が中止となり、出場がかなわなかった球児たちが甲子園に集う大会の対戦カードが1日に決まった。本県から出場する聖光学院は30日に神村学園(鹿児島)と戦う。「感謝の思いを胸に、一瞬一瞬をかみしめたい」。あの日の悔しさを胸に秘め、聖光OBが3年の時を経て憧れの舞台に臨む。

 主催する実行委員会が1日東京都内で開いた記者発表会で対戦カードが発表された。発表会の会場には、聖光OBの吉田晃大さん(21)=流通経済大3年=と茅原渉さん(21)=武蔵野大3年=の姿があった。

 2人には忘れられない光景がある。3年前の8月、県高野連が独自に開いた県大会で優勝し、決勝の後に校歌を歌っていた時の出来事だ。主将内山連希さんが歌いながら涙を流していた。「内山の涙で、本当に甲子園はないんだなと初めて実感した」。県の頂点に立った喜びもつかの間、つらい現実を突き付けられた瞬間だった。

 卒業後、ナインはそれぞれの別の道へと進んだが「甲子園でプレーしている後輩がうらやましかった」と吉田さん。夢の舞台への思いが消えることはなかった。

 昨年、内山さんからうれしい連絡があった。「甲子園で大会を開くらしいんだけど参加しないか」。2人は参加を快諾。大学で野球を続けている仲間ら、当時のメンバー20人が大会に参加する予定だ。

 大会には、「聖光」の文字が記されたユニホームで臨む。草野球チームでプレーを続けている吉田さんは「最大限の力を出したい」と意気込む。大会に向け、キャッチボールなどに取り組んでいるという茅原さんは「自分たちの力を発揮し、仲間と野球を楽しみたい」と決意を口にした。

 11月30日に神村学園と対戦

 大会は「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児野球大会2020―2023」と題し、29日~12月1日に甲子園球場(兵庫県西宮市)などで開かれる。2020年に各都道府県大会の代わりに開かれた独自大会の優勝校や上位校など全国38チームが出場を予定している。

 29日は甲子園球場で各チームがシートノックを行うほか、セレモニーや特別試合を予定。30日と12月1日は兵庫県内の各球場で各チーム1試合ずつ交流戦を行う。聖光学院は30日に兵庫県姫路市のウインク球場で行われる第2試合(正午開始予定)で神村学園(鹿児島)と戦う。

2020年8月の大会2020年8月に開かれた大会で県の頂点に立ち、喜びを爆発させる聖光学院ナイン。しかしこの年は全国大会は行われず、甲子園でプレーすることはなかった=ヨーク開成山スタジアム

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