聖光学院、見せた結束力 代走・代打攻勢で逆転、日大東北に2-1
第73回秋季東北地区高校野球県大会第9日は26日、白河グリーンスタジアム(白河市)とヨーク開成山スタジアム(郡山市)で準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決まった。いわき光洋は只見を6―0で破り、聖光学院は2―1で日大東北との接戦を制した。27日は休養日。大会第10日の28日は、白河グリーンスタジアムで準決勝2試合が行われる。午前10時からいわき光洋―聖光学院、午後0時30分から学法石川―東日大昌平。決勝と3位決定戦は29日に白河グリーンスタジアムで行われる。
勝利への執念が実った。聖光学院は1点を追う7回に代打、代走を投入して逆転に成功。同点打を放った代打の嶋田怜真(2年)は「自分の持ち味は長打力。とにかくチームのことを考えて打った」と安堵(あんど)した。
7回1死一塁の場面で指揮官が動いた。大槻俊斉(同)を代走に送り、打席には代打嶋田。「心の準備はできていた」という嶋田が直球をはじき返し、大槻は俊足を飛ばして一気に生還した。勝機とみてさらに畳み掛ける王者。1死一、三塁から今度は三田寺大吾(同)が三走の代走に入り、赤堀颯(同)のスクイズで勝ち越しのホームを踏み、見事に仕事を果たした。
嶋田は4番に座った3回戦で無安打に終わり、4回戦は先発を外れ、出番がなかった。それでも、「いつでもいけるように準備はしていた。(控えの)悔しさはあったがチームが勝つことが大切」と準備を怠らず、大事な場面で結果を出した。
激戦のブロックを結束力で勝ち上がる聖光学院。3年遠ざかる秋の県王者へ、その粘り強さが際立ってきた。
日大東北エース「粘り負け」
宿敵に敗れた日大東北のエース堀米涼太(1年)は「相手が上。粘り負けです」と悔しさをにじませた。
5回終了時点で許した安打は初回の中前打のみ。変化球を使い、打ち取った。だが「ボールを見てくる感じで甘く入ったらもっていかれる」と張り詰めた緊張感の中で戦っていた。バッテリーを組んだ双子の兄の捕手翔太(同)もそんな弟の様子を察し、何度もマウンドに駆け寄った。しかし、終盤の王者の圧力に屈した。
9回裏の打席では執念のへッドスライディングも及ばず、試合終了。「目指すべきものを感じられた。勝てる投手になる」と前を向いた。
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