◇秋季東北地区高校野球福島県大会・第２日（17日・白河グリーンスタジアムほか９試合）

　ふたば未来　４―３　郡山北工

　鋭く低い打球が一、二塁間を抜けた―。３―３で迎えた九回２死一、三塁。一打サヨナラの試合の行方を全員が固唾をのんで見守る中、打席に入ったのはふたば未来のエース中野紘斗（２年）。「決めてやる」。甘く入った直球を逃さなかった。サヨナラを確信すると跳びはねながら仲間がつくる歓喜の輪に飛び込んだ。

　決定機を欠き、八回までに１１残塁。「守りがしっかりできれば流れが来ると思っていた」と遠藤太監督。九回の相手の攻撃を三者凡退で切ると、その言葉通りにふたば未来に風が吹いた。２死から単打でつなぎ、この日快音を響かせていた中野が最高の結果でチームを勝利に導いた。

　投げては、公式戦初先発ながら３失点完投。テンポの良い投球を披露し、支部大会の相馬戦で四球から自滅した苦い経験を振り払う堂々の投球だった。投打に活躍を見せたチームの柱に指揮官は「エースらしい姿だった」と目を細めた。

　「投球は完投を目指し、打撃はつなぐことを徹底する」と中野。投打に感じた手応えを自信に変えてシード校の福島商に挑む。（熊田紗妃）

【９月17日の試合結果】秋季高校野球福島県大会・第２日