◇秋季東北地区高校野球福島県大会・第３日（１８日・いわきグリーンスタジアムほか８試合）

　ザベリオ　５―４　福島明成

　選手１０人の少数精鋭のチームが、単独チームとして秋季県大会初勝利という新たな歴史を刻んだ。投打でチームを引っ張った渡部蒼羅（そら）（２年）は「課題を一つ一つつぶしていきながらチーム一丸となって戦った。単独チームとして校歌を歌えて本当にうれしかった」と喜びを爆発させた。

　捕手としてエースをリードしてきた渡部は、２番手として七回からマウンドへ。「いつでも投げられるように」と、五回終了時のグラウンド整備の時にすでに投球練習を始めていたという。最速１３０キロの切れのある直球に変化の大きいスライダーを絡め、相手打線を手玉に取った。

　最終回、投じた最後の４０球目はスライダー。相手打者のバットが空を切ると、高々と右拳を突き上げた。３者連続三振という圧巻の投球で試合を締めくくった。

　この日は２安打３得点と、攻撃でもリードオフマンとしての仕事をしっかりこなした。「会津の力を見せつけるためにも、もっと上を目指したい」。投打で輝きを放った扇の要は、今後もチームの歴史を切り開く重要なピースになる。（副島湧人）

【９月18日の試合結果】秋季高校野球福島県大会・第３日