白河、投手戦制す エース金沢が気迫の完投、夏の借り返した
◇秋季東北地区高校野球福島県大会・第5日(20日・いわきグリーンスタジアムほか9試合)
白河 2―1 安積
夏の記憶がエースの気持ちを奮い立たせた。夏に逆転負けを喫した因縁の相手に、白河のエース金沢拓夢(2年)はコーナーをつく丁寧な投球で13奪三振1失点で完投。「絶対に負けたくない相手だった。価値のある一勝をつかみ自信につながった」と胸を張った。
初回から多彩な変化球を操り、相手打線をテンポ良く抑えた。7回、適時打を許し1点を失うとギアを入れ替えた。「1点の重みは夏で分かっている。開き直って強気でいくしかない」。力強く腕を振り次打者を三振に仕留めると、拳を握りしめて叫んだ。「体が勝手に動いた」。普段はあまり感情を表に出さないが、その時は体全体で表現した。
2年生エースとして臨んだ夏の福島大会。この日と同じ安積と対戦した2回戦で、3点リードの最終回のマウンドに上がった金沢は逆転打を浴び、3年生と共に臨んだ夏が終わった。「先輩たちに申し訳ないという思いしかなかった」。あの敗戦がエースを強くした。
頼もしい投球で夏の借りを返した。「最少失点に抑えられたことは夏からの成長の証し。3年生の皆さんにいい報告ができる」と最高の笑顔で勝利をかみ締めた。(副島湧人)
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