聖光、盤石3連覇 着実加点、好機逃さず
◇秋季東北地区高校野球福島県大会・最終日、決勝(1日・ヨークいわきスタジアム)
聖光学院 9―2 光南
スタンドに向かってあいさつをする聖光学院ナインの表情は充実感にあふれていた。その中心には主将佐藤羅天(らま)(2年)の姿。「力がないことを受け入れてひたむきに戦えた」。困難を乗り越えて達成した3連覇に胸を張った。
夏の甲子園後、下級生でつくるBチームの主将を務めていた佐藤が新チームの主将に就任。だが、新チームは夏休みが明けても練習試合で打ち勝てないことがあり、新主将は不安を募らせていた。「その頃は、チームをまとめようとし過ぎていた」と振り返る。
やがて、「良いことも悪いことも受け入れて、愛を持って仲間に接する」という理想の主将像を掲げ、そこを目指して努力することにした。気負わず、チームメートを信じて戦うようになり、良い結果も出るようになった。
この日、1点差に迫られ迎えた3回無死満塁。佐藤が無心で振り抜いた打球は中前に落ち、貴重な追加点となった。「歩みが正しい子。神様が打たせてくれた」。チームをけん引した主将の活躍に、斎藤智也監督は最大級の賛辞を贈った。
優勝を決めても、佐藤に慢心はない。「東北大会でも聖光魂を見せつけたい」。その目はすでに東北の頂点を見据えている。(熊田紗妃)
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