健康調査データ「福島県民に還元」 星前座長、内堀知事に報告

 
内堀知事に検討委の状況を報告する星前座長

 原発事故後の健康影響を調べる県の「県民健康調査」検討委員会の星北斗前座長(県医師会副会長)が26日、県庁で内堀雅雄知事と会談した。星氏は、これまでの調査で得られた生活習慣に関するデータなどを県民の健康増進のために活用していく考えを伝えた。

 星氏は2年間を任期とする座長の3期目の任期が7月末で終了。2014、15年度に実施した2巡目の甲状腺検査結果について「現時点で甲状腺がんと放射線被ばくの間に関連は認められない」とする報告がまとまったことなどを受け、内堀知事に検討委の状況を報告した。

 星氏は、県民の健康指標の改善が重要だとし「いろいろなデータがそろった。甲状腺(検査)だけが注目される現状は好ましくない。県民健康調査全体の知見を県民の健康に還元する役割を果たす必要がある」と指摘。内堀知事は「意見をしっかり伺い、県政に反映させていきたい」と答えた。

 星氏は会談後、報道陣に健康指標の改善につながるようなデータの活用が重要だとし「県民健康調査もそろそろギアチェンジが必要だ」と語った。4期目の座長については「私が決めることではないが、仮にもう一度、やってほしいと言われれば積極的に断る理由はない。もしそうなれば、これまで以上に県民の健康に寄り添う形で取り組む」と語った。次期座長は次回の検討委で委員の互選によって決定される。