背骨の健康保とう 白土氏「運動の習慣化を」、会津若松で健康講座

 
「背骨の健康を保ち、健康寿命を延ばそう」と呼び掛けた白土氏

 福島医大と福島民友新聞社は26日、会津若松市の会津大で背骨(脊椎)をテーマにした健康講座を開き、福島医大会津医療センター付属病院副院長で整形外科・脊椎外科学講座教授の白土(しらど)修氏が「背骨の健康を保ち、健康寿命を延ばそう」と呼び掛けた。

 白土氏は厚生労働省の調査を示しながら、要支援、要介護状態になる要因のうち、最も割合が多いのは脳血管障害や認知症ではなく、骨や筋肉、神経など運動器の障害だと指摘。足腰が弱ったり、けがをしたりして、自分自身で歩くことができなくなる状態「ロコモ」(ロコモティブシンドローム)を予防することが、健康寿命を延ばす鍵になると解説した。

 その上で、運動器の「屋台骨」の役割を果たすのが背骨だとし「背骨がゆがむと、さまざまな病気が起こってくる。楽しい人生の妨げになる」と話した。

 ロコモの原因となる背骨の病気としては腰痛症、足のしびれなどの症状が出る腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症などを挙げた。白土氏は「背骨の病気の予防、治療には運動が有効だ」と強調。背骨を健全に保つための運動を「腰みがき」と呼び、毎日の「歯みがき」と同様に習慣化すべきだと提言した。

 講座は県民の健康増進、意識向上を目的とした福島医大、福島民友新聞社の連携協定事業の一環。約120人が受講した。

 ◆座ってできる体操紹介

 白土氏の講演に続き、福島医大会津医療センター付属病院リハビリテーション部の遠藤達矢氏(理学療法士)が受講者と共に「腰みがき体操」を実演し、座りながらできる腹筋や背筋の運動を紹介した。

 「運動は万能薬」という遠藤氏は「座っている時間が1時間増えただけで、障害リスクは2倍になる。立ち上がって体を動かす時間を少しでも増やしてほしい」と語った。運動する場合は、痛みを感じない程度の運動にとどめ、継続させることが大切だと助言した。