健康経営「当たり前に」 福島県、優良3事業所を表彰

 
健康経営の取り組みについて意見交換する出席者=福島市

 福島県は23日、従業員の健康増進に取り組む「健康経営」の本年度優良事業所のうち特に優れた3事業所の表彰式を行い、最高賞の知事賞を受賞したワシオ商会(会津若松市)、最高賞に次ぐ福島民友新聞社賞の桑原コンクリート工業(田村市)、福島民報社賞の利根川組(伊達市)をたたえた。

 内堀雅雄知事や福島民友新聞社の中川俊哉社長らが3事業所の代表に賞状などを手渡した。

 内堀知事は「健康経営の取り組みをけん引してほしい」と述べ、中川社長が「皆さんの先駆的な取り組みを報道で県内に広げていきたい」とあいさつした。本年度優良事業所には過去最多となる279事業所が認定された。

 普及へ「啓発が課題」 受賞企業代表ら意見交換

 表彰式後、受賞企業の代表と内堀知事、中川社長、全国健康保険協会(協会けんぽ)福島支部の遠藤隆男支部長らが健康経営の推進に向けて意見交換した。

 健康的な総菜を取り入れた「へルシーランチ」を導入しているワシオ商会の鷲尾一美専務は「一人一人の社員に目を配る事を目的に健康経営を始めた」とし、社員の禁煙に20年以上前から取り組んでいると説明。社内にトレーニングジムを設置した桑原コンクリート工業の桑原義昌社長は「社員から『疲れる』という声を聞き、疲れを取る方法として酸素カプセルを取り入れた」と述べ、工夫を凝らしながら健康経営に取り組んでいるとした。健診の2次検査費用を全額補助している利根川組の利根川靖幸社長は「2年足らずで成果が出て社員のやる気につながっている」と話した。

 中川社長は「社員に対する愛情や思いやりを感じた。健康に無関心な層への啓発が課題」とし、本社が取り組むウオーキング事業などを紹介した。

 また、鷲尾専務はコロナ禍で企業が疲弊しているとして、健康経営の普及に向け「企業へのインセンティブ(動機づけ)を考えてほしい」と指摘。内堀知事は「宿題をいただいた。健康経営が当たり前となるためにも、県として工夫しないといけない」と答えた。