メタボ指標、悪化傾向 17~19年度、福島県健康データ分析

 

 福島県と福島医大健康増進センターは1日、県民が受けた特定健診の情報について2017~19年度の合算と16~18年度の合算を比較、分析した結果を公表した。メタボリック症候群を引き起こすリスクとされる23項目のうち、男女とも「腹囲が基準値以上」「20歳時の体重から10キロ以上増加した」など9項目で悪化傾向を示した。

 センターが「県版健康データベース」の2022年度報告書として結果をまとめた。メタボに関する特定健診項目の比較状況は【表】の通り。16~18年度の指標を「100」とし、17~19年度の指標がそれより高い(悪化)か、低い(改善)かを表した。男女別では男性が12項目、女性が11項目で悪化傾向を示した。男女とも改善傾向となったのは「中性脂肪」「歩く速度が速くない」などの5項目。

 全国と比べた結果、県民はメタボに関連するリスクが高い傾向にあることも浮き彫りになった。県はこれまで、40歳以上の特定健診の受診結果などから、メタボ関連の指標が悪化傾向にあることを把握しており、今回の報告書で「悪化の傾向が裏付けられた」とした。

 報告書は、複数の市町村がまとめて指定される2次医療圏別、市・郡別でも傾向を分析。2次医療圏別では、相双と会津・南会津の2地域で悪化した項目が多かった。県は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の避難生活や、地域の食生活などが影響した可能性があると推測している。

 報告書は県健康づくり推進課のホームページに掲載されている。

 就労世代の対策に重点

 県は結果を踏まえ、メタボ対策に重点的に取り組む方針だ。就労世代の健康を重視し、昼食時に300食程度の社食を提供する企業でモデル事業を展開する。

 ニプロファーマ鏡石工場(鏡石町)、白河オリンパス(西郷村)、JERA広野火力発電所(広野町)の3社が協力。従業員に塩分を抑えたり、野菜を多く使ったりした食事を食べてもらうほか、休憩時間などに運動してもらう。県は本年度と来年度の健診結果を比較して効果を確かめる。

 このほか県内のスーパーに低カロリーで野菜を多く使ったおかずを販売してもらうことを検討。ふくしま健民アプリを活用し、県民に体重を毎日計測してもらい、適正体重を目指すキャンペーンも予定している。