健康づくり課題、7地域ごと明記へ 県3次計画、メタボなど予防

 

 県は、策定を進めている「第3次健康ふくしま21計画」(2024~35年度)に、七つの地域ごとの健康課題や課題解決への方向性、具体策を新たに盛り込む。メタボリック症候群の予防や高血圧を防ぐ取り組みなどを想定している。地域ごとに異なる現状や課題、改善策などの情報を共有できるようにすることで、県民の健康づくりに直接関わる市町村などに広めて活用してもらう考えだ。

 10日、福島市で開いた健康長寿ふくしま会議の部会で示した。第2次計画の最終評価では、評価可能な109項目のうち、目標達成が5割未満だったのは64項目と半数を超えた。特に、がん検診の受診率向上やメタボの該当者・予備軍の減少など、本県が課題とする健康指標に関わる項目で達成率の低さが目立った。

 県版健康データベースの2022年度報告書によると、複数の市町村がまとめて指定される2次医療圏別では、相双と会津・南会津の2地域でメタボを引き起こすリスクとされる項目で悪化した項目が多かった。

 各地域で傾向に差が出ているため、県内7地域の保健福祉事務所などが健康課題の解決に向けて地域、職域が連携して取り組む施策の方向性や、具体例などを次回会合までにまとめる。

 今回の会合では、第3次計画で「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」を基本目標に設定し、さまざまな施策の実施を目指すとした。計画で定める89の目標項目のうち「健康格差の縮小」「ふくしま健民アプリの活用者数の増加」など31項目が新規となる見込み。

 目標値は本県のこれまでの健康指標や国が示す目安などを参考に決定される予定で、部会長の安村誠司福島医大教授は「目標値は県民へのメッセージにつながる。実行可能性などを考慮してほしい」と述べた。