「食べ方速い」「麺の汁は全部」肥満の県民、低い改善意識

 

 県は31日、県食行動実態把握調査の分析結果を公表した。60歳未満の働き盛り世代の県民のうち、肥満に該当する人は肥満でない人と比べて「食べる速度が速い」「野菜を食べる頻度が少ない」「ラーメンや麺類の汁を全部飲む」と答えた割合が多く、健康的な食習慣や減塩につながる意識、行動などが浸透していない実態が浮き彫りとなった。

 調査は2回目。県内事業所に勤務する従業員らを対象に、昨年9~11月にオンラインで行われた。回答者2472人のうち、約9割が60歳未満だった。会津大短期大学部食物栄養学科の鈴木秀子教授が分析した。

 調査のポイントは【表】の通り。食べる速度が「とても速い、やや速い」と答えたのは肥満の人が60%を超えたが、肥満でない人は50%未満だった。肥満でない人の方が肥満の人より野菜を食べる頻度が多く、料理をする傾向にあるなど、健康的な食生活を心がけていることが判明した。

 減塩への意識調査では、ラーメンや麺類の汁を飲む量を尋ねたところ「全部飲む」と答えたのは肥満の人が24.2%に上り、肥満でない人の12.8%と比べて2倍近くの差が出た。

 分析結果から、食産業の発展や共働き世代の増加が影響してスーパーやコンビニの弁当、おかずなどを利用する頻度が今後も増えると推測。料理をすることが健康的な生活習慣や減塩につながる意識、態度、行動に良い影響を及ぼすため、料理を通じて県民が健康的な食習慣を実践できる取り組みが必要だと考察した。

 県は「バランスの取れた食事や野菜から先に食べる『ベジファースト』を広め、自然に健康につながる食環境整備などを進めていく」(健康づくり推進課)とし、働き盛り世代を中心に食生活の改善に向けた取り組みを強化する方針だ。