水にはセシウムほぼゼロ

 

 セシウムは土にぴったりとくっつき、水そのものにはほとんど含まれません。水を引く際に底にたまった泥が舞い上がり、水が濁るような場合には泥についた放射性セシウムがごく微量に検出されることもありますが、ため池やダムの水自体を検査しても、ほとんど汚染が見つかることはありません。

 逆に、土についた放射性セシウムがため池やダムの底にたまっていることはあります。これは森林などの周辺の環境から現在流入してきているものというよりは、主に事故後早期にたまってしまったものがほとんどです。

 ため池に1メートルの深さ分の水がたまっていれば放射線が遮断され、地上での空間線量は100分の1に、2メートル以上たまっていれば、10万分の1以下まで小さくなります。

 ため池に水がたまっていれば、底にたまった放射性物質のために空間線量が高くなることを防げますが、水が干上がり周辺の空間線量に影響を及ぼすような場合や、農業に支障を来すような場合には除染が行われます。