食品中に放射性カリウム

 

 私たちの周りには、さまざまな種類の自然界の放射線が存在し、そこから日常的に私たちはある程度の放射線を浴びています。日本で自然から受ける放射線のうち、最も多くの半分弱を占めるのが、食品中に含まれる放射性物質によるものです。

 これは魚介類、特にその内臓に多く含まれるポロニウムという放射性物質が原因でした。ポロニウムが日本での食品からの放射線量に占める割合は大きく、食品からの放射線量の70%強がポロニウムによるものです。

 そして、その次に多いのは放射性カリウムによるものです。カリウムは私たちが生きていくためには必須のミネラルですが、そのカリウムのごく一部が放射性カリウムなのでした。カリウムはほとんどの食品に含まれるため、放射性カリウムも微量ずつ、ほとんどの食品に含まれることになります。

 このポロニウムとカリウムで、食品からの放射線量のおおよそ90%を占めています。そしてその残りの1割以下の部分は、鉛の放射性物質や、炭素の放射性物質、さまざまな自然に存在する天然の放射性物質と、戦後の大気圏内核実験によってばらまかれた放射性物質などによって占められています。