日東紡の純利益大幅増 通信に使う素材や医薬品の販売好調

 

 日東紡(福島市)が9日発表した2024年3月期連結決算は、売上高が932億5300万円(前期比6.5%増)、経常利益が97億5200万円(同60.7%増)、純利益が72億9600万円(同163.1%増)の増収増益だった。純利益は、前年度の第4四半期に減損損失約66億円を計上した反動で大幅な増益となった。

 主力のグラスファイバー事業部門の機能材事業では、高速大容量通信に使われるスペシャルガラス・クロスの販売が好調で売上高275億円、営業利益56億円を確保した。ライフサイエンス事業部門のうち、メディカル事業では健康診断に使われる「体外診断用医薬品」の販売が順調で前年を上回った。

 期末配当は前期と同じ1株当たり32円50銭、年間配当は55円の予定。25年3月期連結業績予想は売上高1040億円、経常利益120億円、純利益85億円の見通し。

 増産投資を推進

 日東紡は9日、同社グループの中期経営計画(2024~27年度)を発表し、27年度の目標として売上高1350億円、営業利益200億円を掲げた。スペシャルガラスの需要拡大への対応を強化するために、増産投資を推進する。メディカル関連でグローバル展開を強化する方針。