国見山、13年ぶり「登山道」 南相馬、トイレ修繕や林道も復旧
南相馬市原町区の西部にある国見山(564メートル)で市が進めていた登山道の整備が完了した。東京電力福島第1原発事故後、登山道などの手入れができず、荒れた状態だった。展望台に続く林道国見山線の通行止めも解除され、登山できる環境が13年ぶりに整った。門馬和夫市長が2日の定例記者会見で発表した。
国見山は眺望や豊かな自然を楽しめることから、ハイキングや学校の遠足のほか、校歌にも歌われるなど市民に親しまれてきた。しかし、原発事故で居住制限区域となり、市は2016年まで立ち入りを制限。この間、管理ができなかったことに加え、19年の東日本台風などの影響も受け、登山道が荒れた状態だった。
市は現地の除染や復旧を進め、3月までに整備を終えた。併せて、使用できなくなっていた中腹にあるトイレを修繕。展望台や休憩所を改修し、多目的広場と駐車場も整備した。台風などで被害を受けた林道国見山線の復旧工事も完了し、展望台や多目的広場に再び車で行けるようになった。
市は今後、パンフレットを作製するなどして、国見山の登山再開や魅力を発信していく考えだ。門馬市長は「国見山は市民のよりどころ。日常が一つ戻り、うれしい。ぜひ利用してほしい」と述べた。
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