女性警察官初の所属長、福島県民を守るヒーローに 県警採用1期生
今春の福島県警人事で交通規制課長に岡崎美加さん(57)が就いた。県警採用の女性警察官では初の所属長。警察官だった父と同じ道を歩んで県警採用から30年が過ぎる。岡崎さんは「女性だからできないという業務はない。何でも目指すことができる」と話し、日々の業務に打ち込む。
仮面ライダーやウルトラマンなど正義のヒーローに憧れていた幼稚園の頃から、将来の夢は警察官に決まっていた。刑事だった父の存在に加え、高校時代に散歩中の祖母が原付バイクにはねられて亡くなった交通事故も、警察官を志すきっかけの一つという。「悲惨な事故をなくしたいという思いは今でも強い」。1985年に交通巡視員として採用され、女性警察官の試験があると知って受験した。
岡崎さんは現行の警察制度で93年に本県で誕生した女性警察官1期生でもある。「自分たちも何が正解か分からなかったが、受け入れる側も大変だったと思う」。女性警察官に準備された帽子がサンバイザーだったり、署内の女性更衣室が遠かったため夜間の臨場で起こしてもらえなかったこともあった。
女性の働き方を巡る環境が少しずつ整備されている今振り返れば、笑い話になることも多い。ただ、多忙な業務でつらいと思うことはあっても、辞めようと思ったことはない。ある先輩からかけられた「誰かが見てくれているからな」という言葉が今も胸に残る。
交通規制課長は、適正な標識や信号機設置など県民の交通安全に欠かせない部門を束ねる立場だ。県内では交通事故の死者数が昨年、前年比で増加に転じている。岡崎さんは「標識などを通じて、その先で利用する県民の皆さんを思い浮かべながら安全で使いやすい、円滑な交通環境確保に努めたい」と語る。
県警によると、県警の女性警察官の割合は昨年4月時点で11%。26年4月に女性警察官の割合をおおむね12%にする目標を掲げる。
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