歌い継がれる「福商青春歌」 古関メロディー、母校の励み

 
青春歌の歌碑を見つめ「福商生として誇りある歌」と話す土屋さん

 NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」の放送で、古関裕而の曲に注目が集まっている。生涯に手掛けた曲は約5千曲に上るが、特に秀でた才能を示した分野は校歌や応援歌といった若者の背中を押すメロディーといわれる。このうち、古関の母校福島商高(福島市)で同窓生や現役生に親しまれている「古関メロディー」がある。

 福島商高の玄関前の石碑に刻まれるその歌の名は「福商青春歌」。1930(昭和5)年、レコード会社との専属契約が決まった古関が上京直前に書き上げた曲で、同校の国語教師の坂内萬(よろず)が作詞したものだ。格調高く、気品にあふれたメロディーに乗せ、福島の美しい自然が歌われている。同校の校歌も創立60周年を記念して古関が作曲した。

 「校歌と同じぐらい福商生として誇りある歌」。同校生徒会長の土屋幸之介さん(3年)は、部活の激励会などで歌われる青春歌を心が奮い立つ曲だと話す。昨年は文化祭で古関を紹介するコーナーが設置され、青春歌が誕生したエピソードを知る機会があった。「上京前の短い時間で作ったことに驚いた」と話す。

 エールの放送で偉大な先輩を身近に感じる機会も増えたという。土屋さんは「卒業生も多いので盛り上がる。放送を楽しんでいる」と笑顔で話す。