「磐城高」センバツ決定!21世紀枠 46年ぶり春夏通じ10度目

 
21世紀枠で選抜出場が決まり、帽子を飛ばして喜ぶ磐城ナイン=24日午後、いわき市・磐城高

 第92回選抜高校野球大会(3月19日から13日間・甲子園)の出場32校を決める選考委員会は24日、大阪市で開かれ、県勢は磐城が21世紀枠でのセンバツ出場を決めた。磐城は春夏通じて10度目の出場で、春は1974(昭和49)年以来、46年ぶり3度目の出場。県勢のセンバツ出場は2018年の聖光学院以来2年ぶり。

 24日午後3時すぎ、校長室で出場決定の電話を受けた阿部武彦校長(60)がグラウンドで吉報を待っていた選手たちに報告。1995年の夏以来、25年ぶりの甲子園出場を決めた選手たちは「よっしゃあ」と抱き合い、喜びをかみしめた。

 校長室で待機していた木村保監督(49)は電話の音が鳴り響いた瞬間、抑えられない涙をハンカチで拭った。木村監督は「甲子園で選手の躍動する姿を見せたい、という使命感があった。甲子園で勝つため、さらに精進したい」と話した。岩間涼星主将(2年)は「21世紀枠の候補に選ばれてから、多くの人に『甲子園が決まったら頑張れ』と声を掛けてもらったので、選ばれてうれしい。勝利して地元に元気や勇気を与えたい」と意気込んだ。

 磐城は1906(明治39)年の創部。昨年の秋季県大会で3位に入り、10月に岩手県で開かれた秋季東北大会に出場し、11日の1回戦で東海大山形(山形第3代表)を6―0で下して初戦を突破。さらに台風19号で地元・いわき市が被災した直後、14日の2回戦で秋田第1代表の能代松陽に2―1で競り勝ち、92年以来の東北8強を果たした。

 また、部活動と学業を両立させているほか、台風19号の被災後は浸水被害に遭った地域でごみ撤去のボランティアに取り組み、こうした活動が評価された


 県勢の21世紀枠での選出は、2001年の安積、13年のいわき海星に続き、7年ぶり3校目。磐城の甲子園での戦績は71年夏の準優勝が最高で、春は未勝利。

 組み合わせ抽選会は3月13日に大阪市で開かれる。

 内堀知事「努力の成果発揮して」

 内堀雅雄知事は1971(昭和46)年夏の甲子園準優勝に触れ「コバルトブルーのユニホームの活躍は今も県民の記憶に残っている。甲子園では台風による災害を乗り越え、文武両道の下で頑張ってきた練習の成果を存分に発揮してほしい」とコメントした。

 清水いわき市長「市民に勇気」

 磐城高野球部OBの清水敏男いわき市長は「台風で甚大な被害を受けた本市と市民に勇気と元気を与えてくれる、うれしいニュース。夢の舞台で躍動する選手の皆さんを全力で応援する」とのコメントを発表した。

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