駒大3冠へ弾み!大八木節で選手後押し 箱根往路・県勢監督奮闘

 
19年ぶりに往路優勝した駒大の大八木監督

 2日の箱根駅伝往路は駒大が19年ぶりに往路優勝を果たし、史上5校目の「大学三大駅伝3冠」が目前に迫った。指揮官の大八木弘明監督(会津工高卒)は「選手がしっかり役目を果たし、粘ってくれた」と笑みを浮かべた。一方、東洋大の酒井俊幸監督(学法石川高卒)、国士舘大の小川博之監督(田村高卒)は総合10位以内のシード権圏外に沈み、県勢指揮官は明暗が分かれた。

 駒大が往路優勝、大八木監督「守りに入らず攻めていく」

 「抜きつ抜かれつのレース展開でハラハラした。5区終盤でようやく往路優勝を確信した。勝因は区間賞と遜色のない走りをしたことだ」と駒大の大八木監督は胸を張った。4区まで目まぐるしく順位が変わる展開の中、区間賞こそなかったが常に上位でタスキをつないだ。「うちの選手は練習をしっかりやって自信をつけている。練習はうそをつかない」と選手の力走をたたえた。

 エース格が集う2区には、昨年12月上旬に新型コロナウイルスに感染したエースの田沢廉(4年)を起用。レース中は、運営管理車からおなじみとなった「男だろ」の声をかけて奮起を促した。区間3位の力走に「(田沢は)よくやってくれた。さすがエースだ」と評した。

 駒大は昨年10月の出雲駅伝、同11月の全日本大学駅伝で大会新記録を樹立して2冠を達成した。ただ、過去に2度、3冠に王手をかけながら挑んだ箱根路ではいずれも2位に甘んじてきた。「大事な復路に向けて気持ちを切り替える。前半は確実につなぎ、終盤は逃げ切りたい。守りに入らず攻めていく」とベテラン指揮官に油断はない。

 東洋大11位、酒井監督「諦めない姿勢で」

 往路11位に終わった東洋大の酒井俊幸監督は「今年の課題だった序盤で流れに乗ることができなかった」と悔しさをにじませた。

 エースとして期待された松山和希(3年、学法石川高卒)をけがの影響で欠くなど、思うようなレースプランを描けなかった。前半は下位に沈み、5区に起用した主将前田義弘(4年)が区間5位の力走で粘りを見せたが、優勝は難しい位置に。酒井監督は「前半の走りが思うようにいかなかった。ただ、若い選手も起用したので良い経験にはなった」と話した。復路は、18年連続のシード権獲得を目指し「諦めない姿勢を出して走る。一つでも順位を上げる」と気合を入れた。

 国士舘大15位、小川監督「勇気与える走りを」

 往路15位となった国士舘大。就任1年目で初の「箱根」での指揮となった小川博之監督は「選手の走りを見て感動したが、箱根駅伝は難しい。自分の準備不足でチームに流れを引き寄せられなかった」とうなだれた。

 2区ピーター・カマウ(2年)の好走で一時は8位に浮上したが、その後は順位を落としてフィニッシュ。33年ぶりのシード権獲得を目標に「見てくれる人に勇気を与える走りをして、一つ一つ順位を上げていく」と復路を見据えた。

東洋大の酒井監督

往路を振り返り、復路の展望を語る東洋大の酒井監督

国士舘大の小川監督

往路を終え、選手にねぎらいの言葉をかける国士舘大の小川監督

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 復路は福島県勢多数登録

 3日の復路には、県勢が多く区間登録されている。

 7区に早大の小指卓也(4年、学法石川高卒)、8区に中大の中沢雄大(同、同)、10区には東洋大の清野太雅(同、喜多方高卒)、城西大の木村吉希(同、会津工高卒)、国士舘大の生田目惇(2年、田村高卒)の5人。交代可能な補欠は東京国際大の主将宗像聖(4年、学法石川高卒)、創価大の吉田凌(2年、同)、城西大の林晃耀(同、いわき総合高卒)、早大の山口智規(1年、学法石川高卒)、山梨学院大の岩谷翼(4年、同)、専大の田島洸樹(3年、同)、国士舘大の鈴木伸弥(2年、茨城・水城高卒、植田中卒)の7人。

 国士舘・鈴木出場へ

 このうち国士舘大の鈴木について、小川博之監督は8区で出走させると明かした。東洋大の酒井俊幸監督は10区にエントリーされた清野について「アンカーとしての走りに注目してほしい」と期待を込めた。

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