電気料金また低下傾向に

 

 電気料金はさまざまな要因で変動します。日本の一般家庭の電気料金は、1970年代に起こった2度のオイルショックの影響で急激に上昇し、1985年にはオイルショック前の倍以上となる1キロワット時当たり(千ワットの機器を1時間動かしたときに消費する電力量)28.9円までになりました。その後徐々に料金は下がり、震災前は20円強だったものの、震災以降は電気料金の値上げが相次ぎ、2014年には25.5円まで上昇したのは多くの皆さんのご存じの通りです。

 その後はシェール革命が起こり今まで採掘が難しかった場所からの石油や天然ガスの抽出が可能になり、原油の価格が下がりました。その影響もあり、現在の電気料金は震災前よりはまだ10%ほど高いもののまた低下傾向となっています。

 このように日本のエネルギーは、電力の消費量自体は戦後一貫して増えている一方で、国内で資源が調達できずエネルギー自給率が低いこと、温室効果ガスの排出量を抑えなければならないこと、震災後の電力コストの上昇など、多くの課題に直面しているのです。