種類で異なる廃棄物処理

 

 原子力施設から出る放射性廃棄物は、高レベルと低レベルに分けられます。高レベル放射性廃棄物とは使用済み燃料を海外で再処理し、まだ使えるウランやプルトニウムを回収した後に残る廃液のことでした。

 その一方で、低レベル放射性廃棄物は何かというと、この高レベル放射性廃棄物「以外」の放射性廃棄物全てを指します。発電所のコンクリートや金属、使ったペーパータオルや作業衣のような放射能レベルの低いものから、使用済みの制御棒のような放射能レベルが比較的高いものまで、さまざまな放射能レベルのものをまとめて低レベル放射性廃棄物と呼んでいるのです。

 そのため、低レベル放射性廃棄物はその種類によって処理する方法が異なります。紙や布などの固体は焼いて圧縮し、液体は濃縮してセメントで固化してドラム缶に詰めます。ドラム缶は青森県六ケ所村にあるセンターで、浅い地中のコンクリートで囲まれた穴の中に保管されています。

 その一方で、放射能レベルが高いものは地下70メートルよりも深い所に埋めることが検討されています。しかしながら、この方法は現在ではまだ実施には至っていません。