低体重・奇形率は一般水準

 

 お母さんのおなかの中(胎児の状態)でたくさんの放射線を浴びた場合、その後の胎児の臓器の形成や精神の発達に影響が出る場合があることが知られています。ただ、このような胎児への影響は、ある一定の放射線の量以下では生じないことも分かっています。

 また、広島・長崎での原爆投下後、妊娠して生まれてきた世代(被爆2世)において、がんやその他の疾患の増加(遺伝的な影響)は認められていませんでした。

 そのような中、今回の原発事故後については、県民健康調査の中の一つ、妊産婦に関する調査で広く調べられています。その結果、2011(平成23)年度以降、早産率・低出生体重児率・先天奇形率ともに、本件の値は全国調査の値や一般的な水準と変わりがありませんでした。

 この結果は、原発事故以前から知られていた放射線に関する科学的な知見と異なるものではありません。もちろん健康の問題は放射線だけで決まるものではありませんが、少なくとも放射線に伴う遺伝や胎児への影響を危惧するような状況には全くないことが、科学的知見と実際のデータからも分かっています。