カリウム、遠い昔から存在

 

 私たちの生命を維持するために必須のミネラルであるカリウムの中に、1万分の1の割合で存在しているのが、放射性カリウム(カリウム―40)です。放射性カリウムは常に一定の量、身体の中に存在し、私たちは年間に0.18ミリシーベルトほどの放射線を受けています。

 カリウム―40だけではなく、炭素―14やトリチウム(いわゆる水素―3)といった放射性物質も私たちの身体の中に存在する天然の放射性物質です。

 炭素―14は、宇宙線と大気が衝突して作られた中性子が、空気中に約8割含まれる窒素に当たって作られます。炭素―14はβ線を出すことにより、再び窒素に戻ります。トリチウムは天然の放射性物質であると同時に、人工の放射性物質でもあります。

 これらの放射性物質にはそれぞれの半減期があります。トリチウムは約12年なのに対して、炭素―14は5730年、カリウム―40は13億年と長いです。カリウム―40は地球が誕生した時に宇宙から地球に取り込まれた放射性物質で、遠い昔から存在しています。私たちの生きている間において、ほとんどその量が変わることはありません。