放射性物質 埋め込み治療

 

 甲状腺乳頭がんの治療の際、手術の後に放射性ヨウ素を含んだカプセルを飲むという治療があります。取り込まれた放射性ヨウ素が、甲状腺がんに集まり、そこで放射線を浴びせます。同じような仕組みの治療として、男性ホルモンを抑える治療が効きづらくなった前立腺がんが骨に転移した際、骨に集まりやすい放射性ラジウムを血液中に投与するという治療があります。

 これらの治療は内用療法といって、放射性物質を経口または血液中に投与してがん細胞に放射線を浴びせるものでした。

 この内用療法に対して、身体の中のがん細胞やその周辺に、身体の外から小さく密封した放射性物質を直接挿入して、がん細胞に放射線を浴びせるという治療があります。小線源治療と呼ばれます。

 例えば早期の前立腺がんの治療の一つに、1ミリ×5ミリぐらいのチタンでできたカプセルの中に放射性物質を密封し、それを前立腺の中に50個から100個程度埋め込んで、がん細胞に放射線を浴びせるという治療があります。身体に埋め込まれたカプセル自体は永久に前立腺に残りますが、放出される放射線は徐々に減少して、1年ぐらいでなくなります。舌にできた小さながんにも同じような治療が選択されることがあります。