ネット意見、極端に先鋭化

 

 原発事故や放射線に関することについて、これまでさまざまなメディアでの発信が行われました。テレビや新聞・雑誌、インターネットや会員制交流サイト(SNS)など、それぞれのメディアは、情報の発信について長所と短所を持っています。それらメディアの特徴を知ることは、さまざまに飛び交う情報をしっかりそしゃくして前に進むために重要です。

 これまでご紹介したように、インターネットでは、掲示板や記事を通じて、特定の事柄・ニュース、論点に関する考えや、特定の人物などに関する賛美や反発の感想が同じ人を容易に、短時間に、そして大規模に発見できるようになりました。そのため、インターネットには、同じ考えを持つ人同士を結び付けることを容易にしてしまう特徴があります。

 その結果、ある事柄への賛否いずれかの論が急激に多数を占め、先鋭化しやすくなる(極端な方に偏りやすくなる)ことがいわれており、これを「サイバーカスケード」と言います。

 サイバーとは、インターネットのこと、「カスケード」とは、階段状に水がどんどんと流れ落ちていく滝のことです。人々がインターネット上のある一つの意見に流されていき、最終的には大きな流れとなってしまうことを指しています。